経営企画室一年目のブログ

経営企画室一年目の小娘のブログです。

映画「この世界の片隅に」

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この世界の片隅に」の感想を書きたいと思います。

ブルーリボン賞日本アカデミー賞キネマ旬報で数々の賞を受賞しており、「君の名は。」の大躍進の裏でざわざわとさせていた映画です。

クラウドファンディングで3,374名のサポーターから39,121,920円を集めて公開までに至り、その記録は史上最高額だそうです。当初の目標金額は1,080万円だったのですが、クラウドファンディングで支援を募ったわずか1日後に達成したそうです。

 

何気ない日常の描写がとても心地よい

 映画の舞台は昭和19年。太平洋戦争末期の時代。

一方的な縁談をもちかけられ、訳もわからず広島県呉市に嫁ぐ、すずの物語。

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戦争に関連する悲しい話だなと思ってみると、最初は拍子抜けするくらいにごく普通な日常がたんたんと流れていきます。終始こんな感じでした。まるで角度の違う「サザエさん」を見てるような気分です。「サザエさん」ほどのドタバタコメディー感はありませんが、自然な笑いを誘う朗らかなイメージだ。

もうそれは私達が普段の日常のなかで見るおっちょこちょいの人たちのそれでした。

 

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この圧倒的すぎる日常感に思わず考え込んでしまった。この映画は一体何を伝えたいんだろう。ジブリ映画の「風立ちぬ」では堀越二郎零戦と妻、菜穂子の2つの大きな存在を失うという儚さが強烈に「生きねば」という力強いメッセージを残した映画でした。

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映画を見終わって、しばらく片渕須直監督の描きたかったものを考えてみました。

それは変わらず呉にあった日常だったんではないかなと思います。

戦争という大きな出来事にスポットライトあてても、小さな一瞬にしかすぎません。何気ない普通の暮らし、その日常の本質は今と全く変わらない。この今も変わらず続く何気ない日常こそが「美しいのだ」と。

戦争といえば悲しいもの。残酷なもの。暗いもの。私たちは心の中でどこか決めつけてはいやしないだろうか。「この世界の片隅に」は、私のそんな考えを綺麗さっぱりどこかに吹き飛ばしてしまいました。

「日常」って今の今まで当たり前のように受け継がれている、全世界共通の遺産ですね。考えれば考えるほど、後から後から、じわじわとくる作品でした。